ひとくちコラム vol.30

ロンドンの楽譜帳 K.V.15b/W.A.モーツァルト

収載巻:レパートリーコレクションズⅡ

PSTA指導スタッフ 手塚 真人

今回は、モーツァルトが生きた時代の鍵盤楽器事情についてお話したいと思います。

バッハが亡くなった6年後に生まれたモーツァルト(1756〜1791)。もうその頃は日常的に使用された鍵盤楽器のほとんどがチェンバロからピアノに代わっていたのでしょうか?実はそう単純には話が進まないようなのです…。
ベートーヴェンの悲愴(1798年、モーツァルト没後7年)、月光(1802年、同11年)の初版譜には「チェンバロまたはピアノのためのソナタ」と書いてありますし、1846年!に作曲されたリストのペトラルカの3つのソネットがウィーンで出版された時のタイトルには、なんと「チェンバロのための〜」とハッキリ書かれているのです!
またフランス革命(1789年、モーツァルト33才)後、貴族から没収した楽器目録(1795年作成、モーツァルト没後4年)には「62台のチェンバロと64台のピアノを没収した、と書かれていたり…どうやらモーツァルトが生きていた時代はチェンバロとピアノがほぼ五分五分で使われていた可能性が高いのです。

この「ロンドンの楽譜帳」が書かれた1764年はモーツァルトがまだ8才の時。
右手の重音奏など、チェンバロが持つあのガチャッとした音の響きをイメージしながら弾いたりすれば、さらに練習が楽しくなるのではないでしょうか。

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