ひとくちコラム vol.27

ソナチネ ト長調 Op.151-1 第1楽章/A.ディアベリ

収載巻:レパートリーコレクションズⅡ

PSTA指導スタッフ 渚 智佳

アントン・ディアベリ(1781〜1858)は、少年時代をザルツブルクの聖歌隊で過ごしました。
その後ラテン語などを勉強し、修道院で僧職に就きますが、1803年にウィーンへ出てヨーゼフ・ハイドンに師事しました。作曲家、ピアノやギターの教師として生計を立て、ウィーンで音楽出版社を立ち上げます。

1819年、ディアベリは自らの主題をもとにした変奏曲を50人の作曲家に書いてもらい、ひとつの大きな作品に仕立て上げることを企画しました。その50人の中には、ツェルニー、シューベルト、モシェレス、カルクブレンナー、また若き日のリストもいました。コーダはツェルニーが担当しています。実はこの中にベートーヴェンも選ばれていたのですが、ベートーヴェンはディアベリの主題をあまり高く評価しなかったようで、この時は作曲に至りませんでした。しかし、後にベートーヴェンは、この主題を用いてまったく独自に、かの有名な「ディアベリのワルツの主題による33の変奏曲」を作曲することになるのです。
独創性あふれるベートーヴェンの傑作が生まれた背景には、こんな出来事があったのですね。

ディアベリの「ソナチネ 作品151-1 第1楽章」は、冒頭は伸び伸びと歌う旋律が印象的ですが、再現では装飾的変奏によって軽やかに弾むような旋律に姿を変えています。
シンプルな三部形式の中に、様々な音形や要素がバランスよく取り入れられており、技術的にも色々な練習方法が考えられます。和声進行の基本的な骨組みを学ぶのにも適しています。

レパートリーコレクションズの販売店一覧はこちらから

レパートリーコレクションズをご購入いただけるお店をご紹介しています。
お店によって取扱いの無い場合や品切れの場合もございますので、ご来店される前に各店舗にお問い合わせいただくことをおすすめします。